Israel Japan | Business Guide | 2023

日本市場における主要分野とビジネスチャンス ヘルスケア: 日本とイスラエルはともに平均寿命が高いが、日本は人口減 少(出生率~1.3)とそれに伴う高齢化(65歳以上が30%以上)に直面し ている一方、イスラエルは若い人口層が増えている(出生率~3.1)。日本 は、医療費の増加に伴い、優れたサービスを安価に提供し続けるために は、デジタル技術や遠隔診療の活用を拡大せざるを得なくなっている。 イスラエルのデジタルヘルス関連スタートアップ企業は、この課題に対す る解決策を有している。さらに、イスラエルの高度にデジタル化された医 療システムは、 OECD の中で最も優れていると言われており、 GDP の8% 未満で質の高い国民皆保険サービスを提供することができる。両国の経 済大臣によって署名されたデジタルヘルスに関する覚書( MoU )は、両 国が協力体制を促す他でもない。 国土安全保障・サイバーセキュリティ: 日本は世界で最も安全な国の一つ であり、犯罪率が低く、政治的なテロもほとんどない。紛失物が持ち主に 戻される確率の高さにもみられるよう、日本は交番制度の普及や市民の 間での連帯感等の観点からみても安全面では理想的な場所である。し かし、安倍晋三元首相が暗殺され、近隣諸国との緊張が高まっているこ とから、有事への対応の強化が求められている。政府は防衛費を GDP の 1%から2%に倍増させる方針で、日本は世界において安全保障関連費歳 出が3番目に大きい国となる。サイバー領域でも直面する課題が増加して おり、その先は金融機関だけでなく、堅調な日本の製造業のサプライチ ェーンにも影響を及ぼしている。2022年3月に起きた自動車分野での注 目すべき事例は、警鐘を鳴らすものとなった。サイバーに対する意識が高 まり、新たな政府機関も設立されている。また、多くの日本企業がイスラ エルに於けるサイバー技術の探索に注力し、その功績は技術導入、ディ ストリビューター契約、スタートアップへの投資から社員研修・研究開発 と幅広くみられる。このような提携を促す為、既にいくつかのサイバー関 連の協定が両国間で結ばれている。 自動車・スマートモビリティ: 日本は、トヨタ、三菱、ホンダ、マツダ、日 産、スズキ、スバルなどの OEM 大手や、デンソー、アイシンなどのサプラ イヤーのエコシステム全体によって、自動車産業におけるグローバルリー ダーとなっている。ハードウェアからソフトウェアへのデジタル化、自律 化、接続、電動化、共有モビリティの時代に直面し、日本の産業界はゲー ムのトップに立ち続ける方法を模索している。近年、二国間協力が最も 盛んな分野の一つであるイスラエルでは、日本企業が積極的に戦略的パ ートナーシップを模索している。 情報技術・通信( ITC ): 日本の ITC 市場は、グローバルな通信事業者と IT プロバイダーを擁する世界最大級の市場である。イスラエル企業は数十 年にわたりこの分野の技術革新をリードし、 VOIP やインスタントメッセー ジングなどの技術を開拓し、成長と革新を続けている。2014年の楽天によ る Viber の買収、 NEC のイスラエルでの活発な研究開発センターなど、この 10年間にこの分野で完了した多くの二国間取引に加え、日本最大の事業者 でありトップ3の企業の一つである NTT はイスラエルにイノベーションラボ を設立した。この分野では、特に量子コンピューティング、人工知能、モノ のインターネットにおいて、今後も提携が続くと予想される。 20 > 一般情報 > 貿易図

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