Israel Japan | Business Guide | 2023
日 本のフィンテック業界は、スタートアップ企業、政府、業界関係者の努力により、飛躍的 な成長を遂げようとしています。ここ数年のフィンテック業界の成長により、既存のプロ セスや製品・サービスが、より効率的でより速く、より安価に提供されるようになりました。現 在、テクノロジー企業と金融サービス部門が、デジタルバンキングサービス、デジタル決済、ロ ボアドバイザーサービスを提供するための新しい仕組みを世界各地で構築しており、日本もそ の例外ではありません。 統計調査データプラットフォームのスタティスタによると、2023年以降の日本では以下のよう な傾向が予想されています。規模が最も大きいのはデジタル決済分野で、2023年の取引総額は 3,256億米ドルになる見込みです。また、デジタル決済の利用者数は、2027年には1億2,319万人 に達すると予想されています。オルタナティブファイナンス分野のユーザー1人当たりの平均取引 額は、2023年には5万7,640米ドルになると予測されています。ネオバンク分野では、2024年に 35.8%の収益成長が見込まれています。 日本は、米国、英国、中国、シンガポールなどの金融先進国よりもずっと後にフィンテックに取り 組み始めたため、これらの分野の飛躍的な発展には目を見張るものがあります。 日本政府は「日本再興戦略2016」の中で、フィンテックを今後の成長の柱の1つとすることを宣言 し、この業界を後押しするために多くの規制改革を行いました。業界の大きな転換点となったの は、2016年の銀行法改正です。これに伴い、銀行が IT 子会社を設立してフィンテック事業を展開 することが奨励されました。銀行とテック企業が協働することで、銀行部門に多くのデジタルイ ノベーションをもたらすことが可能になりました。 もう1つの転機は、2020年東京オリンピックでした。これを契機に、日本のキャッシュレス決済は 加速度的に普及しました。経済産業省はデジタル決済を促進するために、顧客がキャッシュレス 決済登録店舗(中小規模の店舗)でクレジットカード、デビットカード、デジタルウォレットを使っ て買い物をした場合、顧客に5%の割引を提供するというプログラムを開始しました。経済産業省 は、2025年までにキャッシュレス決済比率を倍増させることを目指しています。 また、政府と地方自治体が一体となって、日本全国および東京でフィンテックを推進するための 取り組みを行っています。2017年、東京都は「国際金融都市・東京」構想を策定し、日本の首都 として国際金融都市ランキングで上位となることを目指しています。さらに、東京都は、先進的 な技術やビジネスモデルを持つ海外スタートアップ企業を都内に誘致することを目的として、東 京都アクセラレータプログラム「フィンテックビジネスキャンプ東京」を開始しました。同年、 日本は、フィンテックの普及をさらに後押しする重要な法律を改正しました。それは、「暗号資 産(仮想通貨)法」とも呼ばれる「資金決済に関する法律」であり、日本で暗号資産(仮想通 貨)を合法的な決済手段として利用できるようにしたものです。この法律では、暗号資産(仮想 通貨)交換業者が日本で暗号資産(仮想通貨)交換業を行うためには、金融庁に登録する必要 があることが明記されています。 併せて、日本の規制当局は、フィンテックのイノベーションを推進する環境を整備し、フィンテッ クのスタートアップ企業の発展を支援していくためには、ブロックチェーン、 API 、暗号資産(仮想 通貨)を中心とした法律の整備が必要であることを強く認識しています。消費者の信頼構築に向 けて、仮想通貨取引に関する枠組みが整備されつつあります。 important act which paved theway for greater fintechpenetration. This was the Act on Settlement of Funds also known as the Cryptocurrency Act, which enabled the use of cryptocurrency as a legit mode of payment in Japan. The act stated that all cryptocurrency exchanges would have to be registered with Japan’s Financial Services Agency to operate in the country. Simultaneously, regulator y authorities in Japan have been very conscious that to set up a landscape that’s fertile for pushing for innovation in fintech, laws have to be framed around blockchain, APIs and cr yptocurrency to facilitate fintech startups. To build consumer confidence, a framework has been put in place for virtual currency transactions. フィンテックは日本 の最重要課題 日本はフィンテックの発展に向けて積極的に環 境整備を進め、遅れを取り戻そうとしています。 55
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